六本木、スーパーフラットな焼け野原。

とても白々しいのは承知の上なのですが、新年のご挨拶がまだなので、軽く済ませて頂きます。「あけおめことよろ2006☆」、はい、「過渡期ナイト」レーベル代表の死紺亭柳竹です。
きょうは筆者と同世代のホリエモンに就いて、書こうと思います。
堀江貴文、のつぎには「容疑者」と綴るべきなのだろうけれど、何となくピンと来ない。あの人懐かしい顔が浮かぶからだろうか。彼の犯した犯罪が、強盗とか殺人とかでなくして、偽計と風説の流布による罪という、資本主義的な、あまりに資本主義的な(人間的な、あまりに人間的な!)犯罪であるというのも大きいと思う。
スポーツ新聞の記事で読んだのだが、捜査当局の合言葉が「スーパーフリーの隣にホリエモンを入れろ!」だったらしい。堀江さんの収監される拘置所には、スーパーフリー元代表の和田受刑囚がおり、和田サンの隣の独房が空いているところから、そのような言葉が産まれたそうだ。もちろん、本当に、いま隣の房にいるかどうかは定かではない。
堀江モンとスーパーフリーのクロスするトポスは六本木だ。堀江さんは六本木ヒルズ族だし、スーパーフリーはそのパーティーを六本木で行い、「六本木大学」という構想を練っていた。もちろん、「六本木大学」とは夢想の大学、ドリームキャンパスなのだが。しかし、今回のライブドアショックで分かったのは、ITベンチャーも同じような、夢想性に基づいた極めてキワドイ場所に立っているということだ。その意味では確かに、ホリエモンと和田サンは隣り合っているのである。
早稲田大学の蔵書の全コレクションを検索してみると、堀江貴文容疑者の著書は、なんと10冊もある。これは1970年代生まれの日本語の著者による著作の同大学の蔵書量としては一番なのではないか。その蔵書の配架先は、ほとんど商学部である。大学の夢見るベンチャー企業のあり方は、ホリエモンが体現してくれていて、そのホリエモンは今や犯罪者なのである。夢の醒める時が、もう来ているのではないだろうか。
六本木はスーパーフラットな焼け野原なのかも知れない。見えない経済戦争の敗戦のあとの。いま私たちが、それを敗戦だと認めなくても、大きな流れがそれを実感させる日がそこまで来ているのではないだろうか。堀江モンは、私たちに先駆けて、その流れに身を落としたのに過ぎないのかも知れないのだった。

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それでは、へなちょこコラムはこのへんで。また今度。さようなら。失礼しまうす。