『現場での立ち話の唯物論的擁護のために。』

都バスに乗って、この惑星にやってきた。『過渡期ナイト』レーベルの死紺亭柳竹です。

現場での立ち話は、非常に有効であるし、そこには真実が宿る。

このあいだのSSWSでは、劇団青年団のひらたよーこさんとの立ち話が楽しかった。
ひらたよーこさんは、「あなんじゅぱす」というポエトリーリーディングのユニットもやってらっしゃる。こちらです。
http://homepage3.nifty.com/unangepasse/indexL.html

ひらたさんはその日、紀伊国屋ホールで井上ひさしの「國語元年」を観たとのこと。
ラストの衝撃を語ってらっしゃった。
「井上さんをSSWSに連れてくればよかったかなー」と面白いことを言ってました。

早稲田どらま館で劇団バングラッシーというところの「人類誕生」というお芝居がある。
こちら。
http://www.babu.com/~bang/
そこに劇団青年団から鈴木チカちゃんという(ってほんとは”鈴木智香子”だが)という女優さんが出るのだが、そのコは死紺亭から観ると後輩筋でもあり、その話でもさくさくっと盛り上がった。

ま、そん時の立ち話には出なかったが、死紺亭は、ひらたさんがイタリアの前衛演劇の巨匠ジャンカルロ・ナンニの「かもめ」(チェーホフ)日本版に出ていたのを観ていたこともあり、なんとなく”縁”(えにし)を感じるのだ。

ちなみに、ひらたよーこさんが初めてSSWSに審査しにきたとき、死紺亭はチャンピオンになっているのだが、そのときのレポートの再録は、こちらです。

「ことばと声」のアルティメットバトル・SSWS(シンジュク・スポークン・ワーズ・スラム)。公式サイトは、こちら。
http://www.marz.jp/ssws/

あたらしい予選トーナメントの初回。
確実に新たな兆候が2つある。

①今回から予選でも優勝者には賞金を授与する。

②一般来場者からの任意の参加のいわゆる「お客さん審査員」はナシ。
それぞれの道で、プロフェッショナルに「表現」に携わる方を、毎回審査員として、迎える。

①により、最近の予選で優勝だろうが準優勝だろうが、総合トーナメントでも勝てばいいという考えに起因だろう決勝戦のたるみが消えた。

②は、今回は、国際的に活躍する女優で、自身も正岡子規などの先行するテクストを朗読表現に昇華する表現者のひらたよーこ氏。
ちなみに彼女のパートナーは平田オリザ氏。氏の劇団には死紺亭の後輩がお世話になっているので、個人的な緊張度はすごくありました。。

あと、ラッパーがあきらかに激減した。

スタンダップ・コメディやポエトリーでも都内のオープンマイクでは見かけない方のトライなど、その意味での波及効果は、すごい。

さ、SSWS初の予選の賞金は、誰の手に!?
このレポの結末は、誰にも話さないでください(苦笑)。

以下は「過渡期ナイト」レーベルのオフィシャルサイト「死紺亭兄さんの妹連合」からの拙文の転載です。
http://www.e-mile.com/cgi-bin/view_bbs.cgi?c_id=0684

はい。
2004年11月5日、SSWS(シンジュク・スポークン・ワーズ・スラム)第3次予選トーナメントの第1回めが開催されました。

今回から予選からも優勝者には2万円の賞金が授与。
かと言って、参加者に賞金に対するギラギラした感じはなく、むしろお客様のほうが、じぶんの払った入場料の結晶の賞金が誰に授与されるか、しっかり見届けてやろうという、いい緊張感となっていました。

審査員は、ソニーレコードSD事業部の大野貴博さん、伝説の雑誌・クルー編集長の浅沼優子さん、HIPHOPライターの古川耕さん、朗読ユニット「あなんじゅぱす」の表現者であり、劇団「青年団」の女優であるひらたよーこさん、SSWS代表のさいとういんこさん。

あの、司会のATOMさんが審査員紹介のMCのとき、「みなさん! さいとういんこがいなければSSWSは『無』ですよ!」って言っていたのが、異様に面白かった☆

さて選手は敬称略で、厳正なるクジによって、つぎの枠順でした。
(ひとり”ちゃん”の付いている方がいますが、ま、ウッチャンナンチャンみたいな名前だと思います。)

①カズーム②NOBU③敬々④死紺亭柳竹⑤服部淳⑥麦わら帽子⑦しろくま⑧マツオカ⑨Kiccaちゃん⑩五十嵐五十音⑪下野穣

この変則的なトーナメントは、まず①から⑩までが通常の勝ち抜き。
⑪は、クジ運のラッキーさでシード。
このやり方まで2回戦までやると残るのは3強。
残りのひとりを決めるために、審査員による投票により決定された2者によって敗者復活戦で、4強を決める。

ま、分かりづらいと思いますが、この掲示板での速報はこんなもんで。
後日、SSWS公式サイトに、各選手の個性やトーナメント表がビシッと決まった、代表による「総評」がアップされます☆ こちらです。
http://www.marz.jp/ssws/

さて、準優勝はKiccaちゃんa.k.a楠木菊花さん☆
ゴスロリちゃんにパンダのぬいぐるみというルックスで、まず観客をノックアウト。
そのうえで女の子にしか表現できない領域を含んだテクスト、また弾けたパフォーマンスが圧巻でした。
浅沼さんが総評で、「常連参加者のなかで、勝ってほしいと思っていた菊花ちゃんが、やっと総合トーナメントにコマを進めてくれた」とコメントされていましたが、納得です。

優勝は死紺亭柳竹。有り難う御座います。
決勝までのセットアップは、以下の通り。

Ⅰ.「あらかじめ失われたBEATのために」
Ⅱ.「スーパーラッキーストライク
Ⅲ.「新しい劇場のために(ニュー・シアター・ジョイディヴィジョン)」
Ⅳ.「自己責任だよ全員集合!!」

Ⅲの作品のMCとして。
この妹連合を読んでくれている貴女が、試合の直前に電話でかけてきてくれた「恐怖」を「詩」にしました。
貴女が体験した出来事を「言霊」に昇華するのは、本気で死ぬかというぐらい、私は全身全霊を使いましたが、成功したようです。
貴女よ、ありがとう。そして、私という「大人」が、私という「詩人」が、少なくともこの世にはひとりはいる、ということを絶対に忘れないでください。
たぶん、貴女の生きる糧の少しの部分には、なるだろうから。

審査員のひらたよーこさんの死紺亭へのコメントで、「(ひらたさんの友人で)朝を起きて、20キロ走ることを普通に日課にできているひとがいるが、死紺亭さんはコトバでそれをやっているひとだ」というニュアンスのものがあって。
確かに、そういうところはあるかも。。さすがの観察眼です。
ぼくはジャンカルロ・ナンニというイタリアの前衛演劇の巨匠の演出のチェーホフの『かもめ』を観ていたことがあって。そこに出演されていた印象的な女優さんがひらたよーこさんだったこともあって、面映かったです。。

古川耕さん曰く、新風の選手a.k.a生ぬるい風(マツオカ氏の詩の言葉です)も吹いた、非常に印象に残るスラムでした。
2004年度第3次予選トーナメントがまだ初回のことを考えると、先も楽しみな展開です。
第3次総合トーナメントは、来年の2005年1月7日です☆

今回の賞金は、全額、日本語のSPOKEN WORDSレーベル「過渡期ナイト」の運営に充当します。
日本のSPOKEN WORDSシーンは、まだこれから、ですから。

そう、死紺亭兄さんのモチベーションは予習だ☆
以上です♪


こんな感じの素敵な間柄☆
やはり現場の立ち話は氷山の一角なのであった。

さて、私のおうちに私の詩作品もアップされだした。現代詩『へその緒』とSSWS総合優勝作品『死紺亭の東京っていい街だな』の2篇。読んでください、来てください。こちらです。
http://katokinight.fc2web.com/

ではね。つぎは都電であの惑星へ行こう☆