『ぼくの北海道のガールフレンド☆』

はーい。『過渡期ナイト』レーベルの死紺亭柳竹です。

きょうは、石畑由紀子さんをご紹介しよう。
わたしの北海道の友だちで、オマケに綺麗なおねえさんで、詩人である。

それから、私と彼女の特徴として、話が長い(苦笑)。。
インターネットの掲示板でも、下記のような有り様である。

以下は石畑由紀子公式サイト『言葉のアトリエ』の掲示板からの拙文の転載です。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ryunosuke/8014/

むずかしい話題。 投稿者:死紺亭柳竹

由紀子さんのデッサンを読んで、ぼくもぼく自身の話をしたくなったので、ちょっと。

ぼくは元々、現代詩人(活字の詩人=むずかしい詩?)のひとなんですね。いや、いまでも、そこでの活動は続けていますが。

で、たまたま最初に所謂”ポエトリーリーディング”のオープンマイクに最初に自覚的に参加したのが、JazzSpot映画館で。
そこで「詩人と芸人やってます。」という自己紹介してリーディングしたら、MCのヤスダさんに「面白くなかった」と言われたんだよね。

これが、ぼくとしてはカルチャーショックで。そりゃ”松下真己”名義の、活字だけを念頭にした作品を朗読しても”面白く”はないでしょうが、ぼくは”面白さ”を要求される場が「詩」にある、というのが衝撃で。

で、その一週間後にウエノ・ポエトリカン・ジャムというのが、また何の因果か、開催されて。全国から詩人が集まって、朝から晩までやっている、という。

そのときにはっきりわかったことがあって、”ポエトリーリーディングの詩人は、まずじぶんが何をやりたいか分かっていないひとが多い”。これは、正直な感想。
で、クリアなポエトリーリーディングをするひとの共通項は”自分はステージをやっている”という自覚だったんだよね。

そこから、ぼくの立ち位置を逆算していって。
まず、ぼくはアメリカのビートニクが好きで、実際ウエノでも彼らについて語るひとがすくなくなかったんだけど、彼らの単純に笑える、”面白い”側面にフォーカスを合わせたひとがいなくて。じゃ、ぼくはそこの喜劇をやろう、と、まず、それが一点め。

つぎに、社会時事的なものを扱うひとも、すくなかった。当時紀ノ川つかささんが即興詩人で出ていたんだけれど、ぼくがお題で客席から「ヤスクニ!」というまで(また、それから後も)、その話題に触れる詩人はいなくて(そのとき一番の話題なんだけどね)。意図的に避けているのではなく、まず社会的な出来事が「詩」になるというアタマが感じられなくて。だから、これも押さえようと二点め。

最後に音韻の問題。至極単純にポエトリーリーディングヒアリングによって成立する「詩」である、ということをあまりに考えていない詩人が多いように思った。「ほむら」って活字で見ると「あ”炎”か」とか思えるんだけど、聴き取りだとよほど注意を払わないと難しかったりする。それが聴衆のマナーのよさにも繋がっているんだけど、善意を前提にするかぎり客層はひろがらないだろう、と。だから三点めとして、ぼくがやるかぎり、ぼくの好きな日本語の古典芸能とかヒップホップとかを参照しつつ、音韻を踏むことを大事にした詩にしよう、と。そうするとたとえば子どもでも言葉遊び的に楽しめる。

こういったことを、ウエノのあと徹夜して考えながら、初期の作品群をつくり、現場でスタイルをつくり、ぼくはやってきた。

SSWSが始まるのは、そのずっとあとで、ぼくのスタイルがBBOYのみんなにもウケがいいのは、けだし当然なんだよね。あと彼らは韻に関するヒアリング能力と面白いものを認める能力は、すごく高いから、ぼくにしては願ったり叶ったりのお客さんだったんだよ。

でも、ここまで考えて前進してきて思うのは、ぼくがやっているのは結局「詩」ではないのではないか、というような引き裂かれる思いかな。
ぼくの現在のスタイルは「物語」である以上、文字通り「語り(SPOKEN WORDS!)」なんだよね。

それはそれで正統で「わかりやすさ」の典型なんだけど、すくなくともぼくという表現者は、それだけではない。しかし、ポエトリーリーディングの詩人であるかぎり、その「わかりやすさ」とは手が切れない。
最近、ふと晩年の武力也さんが悩んだジレンマのひとつは、そこではないかとも思う。そのジレンマは、正直しんどい。

ま、適当にやれる人間だったら、そんなに悩まないんだろうけれどね。。ついつい由紀子さんのデッサンに釣られて、ぼくも書いてしまいました。

追伸:ぼくんとこの「夢をあきらめない少女の物語。」も、そっと読んでおいてね。由紀子さん、ご自愛ください。また。


No.1235 2005/02/01(Tue) 19:16

この由紀子さんへの私の語りかけは、「ポエトリーリーディングの急所を突いた名文」でありながら、「なのになんで掲示板なのだ!」というツッコミの嵐が起きたものなのです。
これに関しての石畑由紀子さんのレスも詩への愛に満ちているので、ぜひ彼女のページを読んでみて。
我らインターネット日本文学の掲示板長文派☆

さて、最近じゃ私もマイホーム「過渡期ナイトon the road」(まだ引越し中ですが。。)ができた。住所はコチラである。
http://katokinight.fc2web.com/

帰る場所がある。これは、私の人生ではあまりなかった事態だ。
ではね。かえる☆