『オンガクは、ぼくの友だちがやるものだ。』

今朝、事務局の電話が1回だけ鳴っていた。誰なんだろう? ナンバーディスプレイも採用していない古い機種なので、すべては闇のなかだ。いや、外は、明るいけれど。

きのうの夜、ツアー終わりのゴスペラーズ酒井雄二くんが電話をくれる。「@残業中」でした。

ツアーの感想で、鹿児島の川内が出たので、私がひとり盛り上がる。いや、郷里なものでな。あと、サンボマスターがいい、という話もスル。「笑われたっていい訳ですよ!」、いや蓋し名言な訳ですよ!

何だかんだで私はミュージシャンの友人が多いが、それは『オンガクは、ぼくの友だちがやるものだ。』というスタンスでずっと生きているからだろう。私は、音楽ができるという事実でヒトを尊敬する。だって、おいら、できないもんな。

かと言って、私の音楽好きは生来のものだし、だから友人にも音楽屋さんが多い。

ぼくの友人たちがやっているスイカというバンドのレポートを再録してみよう。



イカ夜話 第3夜

SSWSがきっかけで、ラッパーのATOM、詩人のtoto、ウッドベースの吟遊詩人・タカツキが出会ったお陰で、生まれ出でたユニット”SUIKA”主催のイベント。

同じくSSWSの詩人・小林大吾くんが、来年に古川耕氏のプロデュースでアルバムを出すのですが、そこからの作品をリーディングするステージがあって、とてもよかったです。
しかし会場に詩人はほぼ皆無で、なんか現在のポエトリー・リーディング・シーンの象徴な気がしました。寒いよ、兄さんは。。

ちなみに高橋結子さんa.k.aけっちゃんの隠れファンとして名高い死紺亭ですが、この日の独り語りは、本当にポエジーを感じました。
うん、あの瞬間は、とっても「詩」だった。

では、会場の異常な盛り上がりは、レポートで!


以下は「過渡期ナイト」レーベルのオフィシャルサイト「死紺亭兄さんの妹連合」からの拙文の転載です。
http://www.e-mile.com/cgi-bin/view_bbs.cgi?c_id=0684

はい。
2004年12月4日、渋谷Gabowlにて、SSWS(シンジュク・スポークン・ワーズ・スラム)の産んだユニットSUIKA主催の「スイカ夜話 第3夜」が行われましたぜっ☆
http://www.flying-books.com/suika/

ひごろは置いてあるらしい会場の椅子を取り払って広いラウンジっぽい雰囲気です。

なんか受付すませて、ぼくとしろくまちゃんがタムロしているとこにいんこ姐さんがきて、ネタっぽい感じで「やぁ、皆の者!」と言ってたんだけど、よく考えたらふたりじゃねぇかよ! というのが面白かった☆
古川さんとも、「YO!きのうぶり!」とご挨拶しましたYO!

あ、会場には、真冬の台風を予感させる雨にもかかわらず、溢れんばかりのお客様でしたよ。ロマンクルーが出るというだけのことはあって、HIPHOP関係の比率が高かった☆

SSWSでDJと審査員をされていたアルファベッツのやけのはらさんともご挨拶できました。”たま”の「満月小唄」のDJの素晴らしさを直接伝えられてよかったです。

最初はタカツキバンドから。
エレピアンのカズタケさん、ドラムのピーチ岩崎さん、この日は大働きのタカツキさん☆
このバンドでの「同じ月をみている」とか「フウライボウ」とかは、よいですな。ジャズですよ。
ずっとタカツキさんを見てきて、気づいたのは「同じ月をみている」はMCまで込みで繊細に練りこまれた作品なんだな、と言うことです。

ロマンクルー。
知ってます? というか、知ってるよね?
大阪の産んだ生粋で極上のエンターティナー・グループです。
最前列の中央で観ていたので、ちょっと緊張しました。。
ぼくは東京に進出されたころに、新宿MARZで観ていて二度目まして、ですね。
『ファミリア』や『大騒ぎ』など、ラウンジ空間でお客さんが文字通り大騒ぎの娯楽空間になっておりました。
ちなみにATOMくん情報によるとこの日は2004年通算500回目のロマンクルーのライブらしいですよ!
ま、マジで!? マジですね、すげぇー(ここは小学生になるトコロね)。
カズタケさん・ピーチ岩崎さん・ウッドベースタカツキはんと贅沢なセッションもあり、がっちり盛り上がりました☆

詩人・小林大吾さんのポエトリー・リーディング。
古川耕さんのプロデュースで、来年ファースト・アルバムが出るらしいです。
日本語のしっとりとした世界観。
ぼくは前方で、テンプルATSのなのるなもない氏と座って、きちんと言葉を聴いてました。
大吾・死紺亭・なのるなもない、とここらへんはSSWSで戦った者同士ですね。
古典からの引用もあって、巧みでもあり聴かせる小林大吾のポエトリー。totoちゃんとのコラボレーションの詩作品朗読も、きもちよかったです。

幕間に、なのるなもない氏と、さくっとHIPHOPとポエトリーについて意見交換しました。
日本語に関して、もっとよくしよう、革命していこう、という志はまったく同じ。ジャンルのクロス・オーヴァーの可能性と重要性も確認しました。

さ、SUIKA(スイカ)のライブだ☆
アレンジも凝りまくりで、躍らせて、踊らせてのセットアップっ!
ロマンクルーからの盛り上がりでどうやら、お店に苦情が来たらしいのですが、totoちゃんがあの笑顔で、「ま、私たち、この夏に同じ感じで、既に店一軒つぶしてますから☆」。
す、すごいよー! かわいい顔して、かなり性根がROCKなトーキョーのフィメール詩人・toto☆
『バンブームーン』という切ない名曲も、今宵ばかりは月から姫を取り戻さんばかりの盛り上がり。ATOMくんの眼の真剣さも凄かったです。
『吉祥寺・日曜日・六時半』というかなり卑怯(☆)な新曲(!?)も、すでにSUIKA熱に浮かれている我々には楽しいばかり。
当然、アンコール! 時間がタイトに来ているのを、けっちゃんが「行くぜっ!」と一喝して、もう一度、上げてくれました。満腹です。。

そう、スイカ夜話の、けっちゃんの「カソリック」というお題の立ち話も、隠れファンとしては重要なポイントでした。
高橋結子さんご自身も認められたように、たぶんぼくを含めて3人しか聴いていないと思うんですが、そんななか右手をポッケに突っ込んで、淡々とスペインの宗教の変遷の歴史を語るさまは、むしろ初期衝動を感じました。
いや、すごい引きの芸なんですよ。でも、渋いお茶があってこそ、炭酸飲料も弾けられるってもんぢゃないか。

あの晩、渋谷の真ん中でレコンキスタについて語ったミュージシャンがいた不可思議の現場に立ち会えたことは、ぼく自身ひとりのスポークン・ワーズ・アーティストとして嬉しかったです。けっちゃん、誠実なんだもん☆

という訳で、ロマンクルー・小林大吾タカツキバンド・SUIKAで、この冬に気圧が台風ショックを起こしたマジックな夜に、マジックな盛り上がりが造られたのでした☆ 以上ですよ♪


というのがレポートですね。去年の12月か。ちなみにこのレポで触れている小林大吾くんは、今週のSSWSにゲスト出演するらしいですよ。
http://www.marz.jp/ssws/

人生は愛と笑いの夜、は我が過渡期ナイトのテーマですが、愛はもちろん「オンガク」のことでしょう。あ、そうすると、死紺亭も、友だちまかせでなく「愛」やらなきゃね。

重大なことになかなか気づかないお茶目さんの集まり「過渡期ナイトBBS@暫定版」は、こちらです。
http://free2.milkypal.net/f-bbs/BA-1/freedom.cgi?mm=k_night&mode=bk


ひょっとしたら今朝の電話も、愛か。いや、やっぱ愛だろ、愛☆