『本屋さんでの感動的な光景。』
そんなに期待する話ではありませんが。
『過渡期ナイト』レーベル代表の死紺亭柳竹です。
きのう、本屋さんで感動的な光景に出くわした。
妙齢の女の子が、意を決したように、笙野頼子の新刊『徹底抗戦!文士の森』を物凄いスピードでレジまで持って行って、買っていくのを目撃してしまったのだ。
これは感動するポイントが複雑なので、解説しますね。
まず眼の前で、売れないことが存在理由であるかのような純文学の新刊が売れたということ。そして、その読者が20代の後半ぐらいの女の子であったこと。ちなみに笙野さんの新刊は2800円ぐらいします。
2800円は安くはない出費だ。それは読むことを担保にしてないといけないだろう。それから、その女性は、ものすごく、どうでもよさそうに一緒にタイの旅行ガイドを買っていた。これはあれだ、男子がエロ本系の本を買うとき、一緒にむずかしい本の新書を買うのと一緒なのではないか。
すごくまえに、出版社勤務の女の子と付き合っていたのだが、その子は「SPEEDの新譜が恥ずかしくて買えないが、領収書下さい、と言えば買える気がする。」と言っていた。意外と人間はそういうものだ。
笙野頼子さんは、ぼくの尊敬するワン・アンド・オンリーな作家ですね。ドゥルーズとガタリの『カフカ −マイナー文学のために−』の定義に則っての栄光ある”マイナー”な作家だと思う。だから、その作家の読者が眼の前で本を買うという行為はそんなに観れないはずなんですね。
それなのに、きのう本屋さんでぼくはその現場に立ち会ってしまったんですね。しかも夜の時間帯にね。結構、深い時間帯でしたよ。遅くまでやってる書店だったんでね。
アマゾンとかに対するリアル店舗の良さは、そういう不意打ちのような光景に会えることかな。急に、こちらの思い込みを崩してくれるようなね。
ま、合い言葉は勇気ですよ。と、よく分からないまとめをしてみる。
それでは『過渡期ナイト』公式ホームページは、こちらです。
http://katokinight.fc2web.com/
読書のすすめもあるので、探して、読んでみてちょーだい。
それではね。チャオ☆