『木村カエラは、足立区生まれ。』

ほえー。出だしから馬鹿みたいな『過渡期ナイト』レーベルオーナー・死紺亭柳竹です。

ぼくは足立区は梅島のポエトリーのライブを受け持っていることもあって、その土地柄は割と思い浮かぶんですな。
あの土地柄から生まれた、木村カエラトーク・スタイル。と、ぼくは納得します。

どうでもいいが2日連続で冒頭が木村カエラというのも如何なものか、と。

なので、きょうは2日連続同じネタにチャレンジします。

文京区白山で行われているポエトリーのワークショップ『リリースルーム』。
安田倫子さんが主宰ですが、そのブログができました。こちら。
http://releaser.exblog.jp/

このなかでも触れられていますが、去年まではオープンマイクのイベントが行われていたのですね。その名は『コトバコ』☆
それでは雰囲気を伝えるために、去年の4月のレポートをプレイバック!


死紺亭柳竹  投稿日:2004年04月11日(日) 15時41分

以下は、「過渡期ナイト」レーベルのオフィシャルサイト「死紺亭兄さんの妹連合」からの拙文の転載です。
http://www.e-mile.com/cgi-bin/view_bbs.cgi?c_id=0684

2004年4月10日、文京区白山のJazzSpot映画館でのポエトリーオープンマイクのイベント「コトバコ」が行われました。

死紺亭、めずらしく早めに行ったんだけど、すごく印象的だったのは、お昼の2時のオープンまえに、約10人ぐらいの方たちが、外で待っていたこと。
ぼく自身、この場所でのイベントは一年間受け持った経験がありますが、こういうことは今までで一度もなかったことです。運営側のみなさんには、嬉しい誤算でしょうか。

さて、まずゲスト・パフォーマンスの感想から。
三村京子さん。弾き語りです。
MCの時に、「自分は詩の朗読ではないので」と恐縮されていましたが、それは考えすぎだと思いますよ。
特に、1曲目は、トーキングな印象がとても強くて、語りかける感じが、いまのリーディング・シーンではあまりないタイプなので、ある種新鮮でした。
ちょっと裏声の出し方が、この日、気になったかな。ひょっとしたら新しいヴォーカルスタイルを模索しているのかも、という感触も残りました。
佳曲「遺書」は、やはり決まってましたね。彼女のこの作品は「詩を朗読する千葉県民の会」のライブダイジェスト音源にも収録されています。入手されたい方は、こちら。
http://www.cmo.jp/users/swampland/chiba/index.htm
三村さん、おつかれさまでした。

ゲストのもうひとりは、石渡紀美さん。
リーディング・シーンでは、大きな影響力をもつ詩人ですね。実際に、この日のブッキングは、当日の運営主任の小夜さんが、自分が朗読をはじめたときに、影響を受けた詩人だから、という紹介をされていたと思います。
いまお子さんを育てているという石渡さんは、それ以前のリーディング(死紺亭の私見ですが。)よりも、調子としては穏やかになっている印象がありました。
但し、作品の毒は健在。しかし、石渡さんの毒の特徴は、世界のひだのひとつひとつを撫でながら、本質のなかでは柔らかく肯定していくなかでの攻撃性、といった感じ。決して否定の攻撃性ではない気がします。
石渡紀美さま、ありがとうございました。

さて、あとはゲストの前後にあったオープンマイクパートからぼくの印象記を。

木葉揺(このは・ゆり)さん、という途中で関西弁のイントネーションも交じる方の、詩作品は、空に大久保利通が浮かぶというイメジャリが、淡々とした作風に突如現れたりして、いい意味で意表を突かれました。空に西郷隆盛ならば、結構普通、というか大河ドラマでも見れそうな画なんですけど、そこで”大久保利通”というのにセンスを感じました。
蒼満月(あおい・みづき)さんという、リーディングの場所はまったく初めてという方もいらっしゃって。正直、テクストも、声も、訴えかける、という意味では、まだまだなのですが、初めての場所での積極性という点では光っているものを感じました。ま、最初から成功するひとなんていないし。彼女は「詩学」のワークショップでがんばっているらしいです。「詩学」のページは、こちら。
http://www7.ocn.ne.jp/~shigaku/

また、ご芳名を死紺亭が失念してしまっているのですが、この方について書かなければ嘘だろうという、書きたいひとが一人いらっしゃいます。
それは京都でのカワグチタケシさんのワークショップを受講されていたという、詩作品の標準語版と関西弁版をならべて朗読して下さった女性詩人です。
これは、よかった。聴き惚れて、ふと気づくとお名前を失念していたという。。
JazzSpot映画館名物の感想タイムでも、筒渕さんが石垣りんの『しじみ』を彷彿としたといい、ベンズでがんばっている山口くんが梅崎春生の『蜆(しじみ)』を彷彿としたという。っていうか、ヤマグチくんが梅崎春生を読んでるって、ベンズでだけ会ってたら、一生わかんなかったかも知れない(爆☆)。
また、食べ物にまつわると方言が生きるという話も飛び出し、作者ご本人が「関西人は本質的にバイリンガルなんですよ。」とおしゃっていました。
と、これだけおぼえているのに、作者のお名前を失念しています。それだけ作品が鮮明だったということですが、誰か死紺亭に彼女の名前を、そっと教えてくださいませ。。

紀ノ川つかささんは自作詩の朗読や即興詩ではなく、いま彼が尊敬している絶叫歌人として名高い福島泰樹氏の作品を朗読。福島さんの作品は、死紺亭も自分のビート・コメディのなかでシャウトアウトさせて頂いています。紀ノ川さんの勉強の姿勢を前提にした、紀ノ川節によるシャウト(!?)は味がありました。
また、JazzSpot映画館では、お久しぶりにあった気がする成田英三郎さん。短い詩を、いくつか、息を整えながら読むというスタイルは健在。表面的な意味ではなく「強い詩」という印象を、成田さんはいつも感じさせてくれていています。
ストロング・スタイルといえば、服部剛くん。服部くんのスタイルの魅力というのも、ちょっと人に伝えるのが、むずかしいな。「Boy」で呼びかける、「過渡期ナイト」年末スペシャルで披露してくれた詩、すごく好きなんですけれどね、わたしは。

しかし、ひとに伝えることの難解さでは、ネルシャツ隊の右に出るものはいないでしょう。っていうか、左に出るものもいない気がする。
ま、簡単に言えば、ネルシャツを着た自由人たちのヴォーカル・アンド・ミュージック・パフォーマンス、っていうの?
ちょっと突っ込みドコロが多すぎるので、知りたかったり、ネルシャツを着たいひと、問い合わせたいひとは、彼らのBBSに行ってください。
http://8029.teacup.com/isibutu/bbs

そして、オープンマイク最後のパートで、現在も進行中のイラク人質問題を含めての自衛隊のトピックに絡めての作品をぶつけてくる詩人群が爆発しました。ある意味、機会詩(オケージョナル・ポエム)でしょうか。
詩人名をあげれば、太郎(本人)さん、ジュテーム北村さん、村田活彦さん、そして死紺亭柳竹。
ここらへんは白熱していたなー。ジュテームさんの作品とかは、直接的ではない分、後に残る痛烈さがあったと思います。それから村田活彦VS死紺亭柳竹、はわかりやすく火花が散っていましたね。でも、両者とも作品の内容は、実は一筋縄では行かないんだけどね。
そしてタイムアップか、というときにSSWSでは”無名”で出ているしげかねとおるさんに火がついてしまい、死紺亭からおもちゃのマイクを取り上げ、ショートポエムをシャウト! となかなか充実したオープンマイクの締めとなりました。

運営面への苦言としては、このように盛り上がったときの抑え方ですよね。
単純に来場者が多くて盛り上がっているのに、あとから来たひとに小冊子が足りないのはよくない。「見込みとちがう」というのは、言い訳にはなりません。チャージのなかに小冊子は入っていると明記されているのだから。足りなかったひとには、あとから送付するという次善策はもちろん、部数の計算は今後の課題です。
あと、今回はMCがキキさんだったんですが、あまり仕切りがうまくいってなかった。キキさん自体の喋りで、かなりロスタイムを作っていたと思います。
オープンマイクのMCは、実はすごく経験値と即興性を求められるものなんです。ベンズカフェの稀月真皓や過渡期ナイトの死紺亭柳竹を見たれたし。
6人で運営しているからといって、MCまで回り順でやる必要はあるのか。そうやってると経験値がばらばらのままで、この一年が終わると思いますよ。これはキキさんの問題ではむしろなく、運営のチームワークの課題だと思います。

「コトバコ」を愛するがゆえの忠言を呈しましたが、基本的にはとても楽しむことができました。運営のみなさま、おつかれ山っ♪

以上、文責は「過渡期ナイト」レーベルオーナー、死紺亭柳竹です。

と、再録記事でした。
ちなみに、ぼくがすっかり名前を失念している詩人さんは宮前のんさんですよ。

こうやって、2日連続同じネタをやってみると、結構自分が見えていいですね。
「結構このひとは木村カエラ自体はどうでもいいのではないか」とか「何気にこのひとはポエトリーは本気でやっているのではないか」とか。
いやー、どうなんだかね。そういうのがブログの面白さでしょ。

はい!公式サイト『過渡期ナイトon the web』はコチラです。
http://katokinight.fc2web.com/
おつかれ山の紺藤ミノル氏が虎視眈々とコンテンツ更新のタイミングを狙ってますぜっ☆

それでは、またね。チャオ♪